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所長の税務相談二十一回目(社宅を役員退職金として渡した場合)

(社長)
 先生、今度役員の上田が辞任し退職する事となりました。上田が現在住んでいる土地、建物は会社所有ですのでこれを退職金として渡そうと思っているのでご相談にあがりました。
(所長)
 社長、上田さんは長年会社の役員として業績に大変貢献し、もう高齢ですので本当にごくろうさまでしたと思います。それでも会社として役員退職金の規定に基づき支払わなければなりません。この規定により算出した金額と社宅時価が同等であれば良いのですが、この算出した金額よりも時価が高い場合はその差額も経済的利益として退職金扱いになります。
(社長)
 先生、この退職金に係る上田の税金はどうなりますか?
(所長)
 社長、退職金は退職所得としてまず所得税と住民税を計算しその支給した日の翌つき10日までに国と地方に納付しなければなりません。この場合時価より低い対価であればその差額について所得税及び住民税の追徴課税が行われます。
(社長)
 先生、退職金について会社のほうの税金はどうなりますか?
(先生)
 社長、役員退職金が適正であれば問題なく損金となりますが、社宅の時価と退職金に差額があればその金額も退職金となり、役員の場合はその差額が過大退職金と認定された場合は損金となりません。又、以前は役員退職金について損金経理要件が厳格に存在していましたが平成18年4月1日以降に開始する事業年度からはこの要件が廃止され少し会社の経理処理に柔軟性がでてきました。
(社長)
 先生、この場合は退職金の支払いなので消費税は関係ないですよね
(先生)
 社長、違います。この場合現金に代えて社宅を役員退職金として支給しているので代物弁済に該当します。代物弁済は資産の譲渡となります。但しこの場合土地と建物なので土地の部分は非課税売上げとなりますが建物はその対価部分が課税売上となりこの場合区分が問題なので私の方で合理的に計算します。
(社長)
 先生、上田は長年この社宅に居住していたのですが一般的には借家権が発生するのではないでしょうか?
(先生)
 社長、その考え方も一理ありますが、裁決や裁判例等で役員に対する退職金の一部として現物支給した土地の価額について社宅としての居住期間の借家権の存在を否認しています。